『 心は常に青春 』 三枝 富博(2期生 )| 同窓会新聞第32号掲載(2017年12月1日発行)

2017年12月01日

同窓生の皆さん、お元気にお暮らしですか。2期生の三枝富博です。本年3月に㈱イトーヨーカ堂の社長に就任致しました。

三枝 富博1960年代後半の高校生活、県相の草創期でした。日本も急成長期で、且つ多くの矛盾も露呈し、我々若者もその波に洗われる激動の時代でした。学校の仲間達と国の将来を憂え、語り合い、また自分の進路、人生はどうして行くべきか、共に悩みながらも前へ進もうとしていた県相時代でした。それが普通の高校生だった様な気がします。

大学を卒業し、入社し、挫折し、転職も経験。サラリーマンとして生きることの難しさや厳しさを身をもって学びました。今の会社に入って40余年。前半は日本、後半20年は異国中国で新事業に参画。多くの挑戦、失敗、試行錯誤を繰り返し、積み重ね、地域に信頼される店づくりに取り組みました。今年から5万人近い人が働く日本での「経営の仕事」を担うことになりました。小生の体験が少しでも皆さんの今後の参考になればと筆を執りました。

「礼節・信義・根性」の校訓は、3年間の高校生活の中で、知らず知らずのうちに、生きる指針や人生哲学のように、体の一部になっていたように思います。学生時代は「人生の目的は何か」、社会に出てからは「どう生きたらいいのか」「仕事のやりがいは」と考えながらも、結婚・子育て・仕事などに忙殺されながら、あっという間に時は流れていきました。

1996年中国内陸(四川省成都市)に渡り、中国駐在での仕事がスタート。国・民族・文化・言葉・社会体制・生活習慣・考え方・暮らし方・価値観も全く違う中で、日本のやり方が通用するわけではなく、多くの中国人と一緒に仕事で成果を出すにはどうしたらいいのか、日々真剣に悩みました。お互い信用信頼を築くには、相手に変わることを求めるのでなく、自分が変わることが必要であり、そのためには、「仕事の目的」や「軸になるもの」をはっきりさせ、それが共有され、共感できなければ、何も為すことはできないと痛感しました。

経営理念やビジョンといわれるもの。「正しい考え方」を持ち、それを求心力として「人に喜ばれること」を一歩一歩、着実にやり続けること、それを「皆のやりがいとすること」、そこに「創意工夫」を加えることで、多くの「ありがとう」をいただくことができました。企業は企業市民とも言われます。ただ仕事やって利益を出せばいいということではなく、従業員一人ひとりを良き市民になれるよう育成し、地域社会に貢献することで、地域のかけがえのない存在になることもできました。そのためには、常にリーダーが率先垂範して、前に立ち、進むべき方向を明確にし、実行していくことが、どんな時代、どんな組織でも求められるものです。

経営も人生も「打率」だと思います。理想100%目指しても、常に上ったり下ったりの連続です。愚直にあきらめずにやる以外道はありません。年齢は自然に積み重ねられ、逃れることはできません。しかしながら、「心は常に青春」でありたいものです。好奇心を持って、目の前のことに集中することは、時の経つのも忘れてしまい楽しいものです。好きなこと、楽しいことをやり続けること。それが私にとっての仕事です。是非、心を前向きに元気に人生を楽しんでいこうではありませんか。

2017年12月01日 | Posted in 卒業生の活躍, 卒業生をたずねて | タグ: , ,

アーカイブ