第20期生の「同級生交歓」記事のご紹介

第20期生の「同級生交歓」記事のご紹介

文芸春秋9月特別号(2023年9月号)の「同級生交歓」頁に、県立相模原高校第20期生の金井 昭文さん、森 健 さん、あかま二郎さんの三名が掲載されましたので、その時の写真とともに森さんが在学当時の様子などを書かれた文章をご紹介いたします。

四十年前の春、この高校の門をくぐってホッとしたのをよく覚えている。中学は校内暴力が凄まじかった。校舎の窓ガラスが割られ、隣の中学が数十人で襲撃しに現れ、先生と生徒が面談室でタイマンを張る。八十年代の大映ドラマのような出来事が日常で起きていた。

県立相模原高校、通称・県相に入ると、暴力は霧散、文化次元もグッとあがった。トリュフォーやベネックスの仏映画を観てその意味を語り、ヒットチャートにないマイナーな洋楽やサンリオ文庫で見つけたSF小説を紹介しあう。軟式テニス部で練習に明け暮れるなか、文化的な会話ができるともだちができたことに喜んでいた。

いま北里大学医学部で緩和ケアセンター長を務める金井昭文は、そんな音楽つながりで仲良くなった友人だ。家に行くとクラシックやジャズのレコードがずらり。聞くと「何年録音の盤がいい」といきなりマニアックな情報から教えてくれた。医学の道に進むと、金井はぺインクリニックの方に踏み出した。強い痛みは別の疾患を生じさせることがある。それを止めたいという志向性は彼らしいやさしさの表れのように思えた。

衆議院議員(五期)で元総務副大臣のあかま二郎はいま誰にでも話しかけ笑わせる毒蝮三太夫のような語りをするが、高校時代は斜に構えたクールガイだった。だが、夜、彼のたまり場で会うと、えらく楽しそうにしている。そこで初めてただのシャイだったのかと気がついた。その後、県議選出馬直前の三十歳、取材として会いに行った。その時のあかまはもう使命感をもって語っていた。人は成長するものだと思った。

撮影後、三人で歓談。あっという間に四時間近く経っていた。格差やネットなど議論もしたが、意見は極端に振れず「そうだよなぁ」と肯定・共有できるかたまりのような感覚が残った。それこそが母校で培われた感覚だったのかもしれない。

(森)